というタイトルが浮かび上がった。土岐は、咳払いをしてプレゼンテーションを始めた。
「このプロジェクトの主要な目的は、二つあります。一つはエネルギー効率の悪いディーゼル機関から電気機関に代えることにより、エネルギー消費を節約し、石油の輸入代金を削減すること。二つ目には、正確なダイヤと列車速度の向上による経済効果により、この国の首都近辺の経済成長を促すことです」
スクリーンには英語でキーワードだけが、箇条書きになっている。最初の画面の説明を終えて、ノートパソコンの前にいる丸山に視線を送ると、彼の指がエンターキーを叩き、画面が次に進んだ。
「最初に、売上の予測です。準備期間が一年、その後の4年間は建設期間で、6年目からの乗客と貨物の自然増による需要増加は、実質ベースで年率3%成長を見込んでいます。さらに、一人当たりの所得増加による需要増加と諸物価の高騰の上積み分を年率10%として算定し、それらを割引率3%で現在価値に直すと、日本円換算で二千八百五十億円になります」
そこで、王谷からとがめるような声がかかった。
「インフレのことは言う必要はないんじゃないの?」
その意見に南田がすかさず同調した。
「インフレ率10%はちょっと問題ですね。あえて言わないほうがいいような気がしますが・・・」
丸山はきのうの午後のシュトゥーバの話を思い出したように、激しく頷いている。シュトゥーバは新中央銀行総裁はインフレを抑制すると評していた。
吉川が王谷の方を見て小さく手を上げた。
「ちょっと、よろしいですか?」王谷は鷹揚に斜めに許諾の首を振る。
「その・・・現在価値ってなんですか?こちとら、財務については素人なもんで・・・すいません。初歩的な質問で・・・」
土岐は王谷の許可を得ずに勝手に説明を始めた。
「現在価値というのは将来の価値を現在の時点で評価した価値という意味です」
王谷が不快そうに組んでいた腕を左右逆に組み直す。丸山がそれを察知して心配そうに土岐に目配せする。土岐は説明を続ける。
「要するに、将来の金額は現在の時点で現在の金額と比較すると金利分安くなるということで、その安くなる利率が割引率ということです」
と土岐は吉川の眼を見て解説するが、吉川は王谷の顔色をうかがっている。
王谷が念を押すように強圧的に言う。
「このプロジェクトの主要な目的は、二つあります。一つはエネルギー効率の悪いディーゼル機関から電気機関に代えることにより、エネルギー消費を節約し、石油の輸入代金を削減すること。二つ目には、正確なダイヤと列車速度の向上による経済効果により、この国の首都近辺の経済成長を促すことです」
スクリーンには英語でキーワードだけが、箇条書きになっている。最初の画面の説明を終えて、ノートパソコンの前にいる丸山に視線を送ると、彼の指がエンターキーを叩き、画面が次に進んだ。
「最初に、売上の予測です。準備期間が一年、その後の4年間は建設期間で、6年目からの乗客と貨物の自然増による需要増加は、実質ベースで年率3%成長を見込んでいます。さらに、一人当たりの所得増加による需要増加と諸物価の高騰の上積み分を年率10%として算定し、それらを割引率3%で現在価値に直すと、日本円換算で二千八百五十億円になります」
そこで、王谷からとがめるような声がかかった。
「インフレのことは言う必要はないんじゃないの?」
その意見に南田がすかさず同調した。
「インフレ率10%はちょっと問題ですね。あえて言わないほうがいいような気がしますが・・・」
丸山はきのうの午後のシュトゥーバの話を思い出したように、激しく頷いている。シュトゥーバは新中央銀行総裁はインフレを抑制すると評していた。
吉川が王谷の方を見て小さく手を上げた。
「ちょっと、よろしいですか?」王谷は鷹揚に斜めに許諾の首を振る。
「その・・・現在価値ってなんですか?こちとら、財務については素人なもんで・・・すいません。初歩的な質問で・・・」
土岐は王谷の許可を得ずに勝手に説明を始めた。
「現在価値というのは将来の価値を現在の時点で評価した価値という意味です」
王谷が不快そうに組んでいた腕を左右逆に組み直す。丸山がそれを察知して心配そうに土岐に目配せする。土岐は説明を続ける。
「要するに、将来の金額は現在の時点で現在の金額と比較すると金利分安くなるということで、その安くなる利率が割引率ということです」
と土岐は吉川の眼を見て解説するが、吉川は王谷の顔色をうかがっている。
王谷が念を押すように強圧的に言う。


