「うん。あれから色々考えたけど、『ドリーム・シネマで一緒に映画を観た高校一年生の顔と名前がわかる男子』、これが条件だと思う。もしかしたら、他にもあるかもしれないけど」

「え……」

 つまり、木村先輩は僕の顔も名前も知っていることになる。入学式で新入生代表のあいさつをしたため、知っていても不思議ではないが、まさか覚えているとは思わなかった。