「練習は?」
「ん?行くぜよ。黒崎のこのスポドリを手伝ってからの」
「別に大丈夫なのに」
「何言ってるんじゃ。意外と
水を入れれば重たいじゃろ」
中学の時もこうやって手伝ってくれてたっけ。
3年間も
「じゃが、なんかいつもより多い気がするんじゃが」
「バレた?コレ(はちみつレモン)も作って来たから」
「おーさすがじゃのぉ。
ついこの間決まったばかりなのに、
よくこんな作る時間あったのぉ」
「そりゃ、マネージャーですから」
水を入れ終わったドリンクを持とうとしたら
「儂が持つぜよ」
「いいのに」
「お前は甘えるということをしときんしゃい」
中学の時も同じセリフを言ってくれたっけ
こんなさりげない優しいところが好き。
「ありがとう」
「ええんじゃ」
テニスコートに戻ると、ダブルスの練習をしている
新部長の玉川君と新井君。相手は丸井君にジャッカル君だ
反対側のコートでは、赤也と蓮二の試合らしい
真田君も柳生君も、他の部員の子たちと打ち合っている
「仁王君も打ってきたら?」
「あぁ。そうするぜよ」
バサっと私の膝の上にジャージを置いて行った仁王君
やるときはやるんだけどなぁ
「ふぃー」
「あちーぜ」
「ありがとうございました」
「おぅ」