レギュラーが決まったのは、その日最後の試合で
菊丸君と不二君だったからだ
「ゲームセットウォンバイ不二。7-5」
不二君がここまで苦戦するなんて
「レギュラー陣は変わりなし
結局、いつものレギュラー陣だったな」
「黒崎?」
「ごめん。用事があるから先に上がるね」
「珍しいね」
先に帰ることを伝え、学校を出ると
見覚えのある後ろ姿
「赤也」
「!?」
「やっぱり。敵情視察?」
「月渚先輩こそ。なんで青学から?」
「私は、もう、立海の先輩じゃないもの。
青学の人間だもの。ここから出てきてもおかしくはないでしょう?」
「そうっすけど。あ、じゃあ仁王先輩が荒れてるのって」
「赤也たちの耳にまで入ってるくらいだから
相当な荒れ模様何だね。
原因は分からない。でも、荒れ始めたのは
私がいなくなってから。そう聞いてる」
「そうなんっすね。立海には
もう、帰ってきてくれないんすか」
直球で聞いてくるのね。赤也らしいけど
「戻らないんじゃないの。戻れないの。
私も、戻れるものなら、立海に戻ってみんなのそばで
マネージャーとしてずっといたかった」
あそこには蓮二だけじゃない
私の好きなメンバーが多くいる
仁王君だっている
「すんません」
「赤也が謝ることじゃないわ。
仁王君に伝えて欲しいことがあるの」
「仁王先輩・・・すか」
「うん。もうすぐ会えるからって」
「分かったっす」
そう言ってバスに乗り込んだ赤也を見送って
私も帰路に就いた
