貴方だけを見つめてる


食事中も
私がいなくなってからの立海の話を聞くのは楽しい

特に、テニス部の皆の話を聞いているのは

「ごちそうさまでした。美味しかったです」

私も同時に食べ終わってから食器を水につけて
再び部屋に入って勉強を再開しようとしたときだった

PPPPPPP
私のスマホでないとすれば

「何だ。真田」

「黒崎と一緒にいるな?」

真田君の声が蓮二の耳元越しに聞こえてしまった

でも、いないふりをしながら勉強を始めた私に
蓮二は

「あぁ。いつもの勉強会をしているからな」

「そうか。仁王だが、月末まで持つか分からん」

「どういうことだ」

「アイツ(仁王)、自分のラケットを粉砕してしまった」

「!?」

どういう・・・こと?

「なるほど。月渚に合わなくてもいいという考えなのかもしれん」

「それは俺にも分からんが。
お前は、家まで知っているんだろう?」

「あぁ」

「なら、仁王を」

「ダメだ」

キョトンとしている私に

「何としても月末まで仁王には我慢してもらう」

「どういう意味だ」

「そのままの意味だ」

「無論、仁王が負ければ、月渚には会えないということにしよう」

「面白い」

そう言って切れた電話