「いや。探さなくてもいい」
え?
「仁王の事だ。すぐにくんだろぃ」
「丸井君まで」
「それに、マネージャーの仕事もあんだろ?
仁王探しは、別にいい」
そんなもんなのかなぁ
試合形式で行われている、立海の部活は
夕方になってくると学校が海の方にあるがゆえに
とてもじゃないけど、寒くなってくる
「大丈夫か?」
「ヘーキ」
「そうか。これを羽織っておくといい」
そう言ってジャージの上着をかけてくれた蓮二
「ありがとう」
「いや。構わない。どうせ
まだ部活は続くんだ。月渚に風邪をひかれてもらっては困ってしまう」
それもそうだけど
「それに、月渚が風邪をひいて
1番心配するのは仁王だろう」
ぼそっと呟いた蓮二の言葉は私には届くことはなかった
「今日の練習はここまで」
「お疲れさまでした」
一声に片づけを始める部員たち。
ここの片づけは、レギュラー陣も行うという意外な関係だ