「仁王先輩も柳生先輩も、もう少し手加減してくださいよ」
「ダメですよ。切原君」
「練習でも、本気で行かなければ、レギュラーではいられんからのぉ」
仁王君も、柳生君もそんな風に思ってるんだ
きっと、高校でもそんな風に思いながら練習しているんだろう
RRRRRRR
「ん?」
「あたしだ」
ディスプレイを見ると、毛利先輩と出ていて
「ちょっと、電話してくる」
「あぁ」
少し離れた場所で電話に出ると
「悪いねー」
そういう毛利先輩はきっと、悪いなんて思っちゃいないんだろう
「何か急用ですか?」
「あぁ。実はねー」
「分かりました」
「じゃあ、連絡頼んだよ」
そう言って電話が切れた途端に
冗談じゃない。と思ったのは言うまでもない
テニスコートに戻ると、仁王君が木陰で休んでいて
「お帰りんしゃい」
「た、ただいま」
「なんじゃ。何かあったんかのぉ」
「あーうん。まぁ」
「じれったいのぉ」
じれったくしているわけではないんだけどね
幸村君たちが練習終わってから話すよ
そう言うと仁王君は再び来ていたジャージを
私に投げ渡してきたかと思えば
「お、帰って来たの」
「お帰りなさい」
「あぁ」
「で?電話の相手は」
「毛利先輩の確立100%」
「ご名答。
部長からの伝言。今月末に
青学と練習試合だって」
「はぁ!?」
「うむ」
「また、急だね」
「私もそう思って、言おうと思ったら
電話切れちゃった」
「青学か・・・去年の全国大会以来だね」
「練習試合なんて、今まで青学としたことないんじゃないか?」