「あいつ、誰と話してんの?」
「気持ちわりいぃい!」
「あっち行こうぜ!」
私が視てはいけないものを視ているのを気付いたのは、幼稚園の頃だった。男の子にからかわれ、女の子も遊んでくれなくなり、挙句の果てには先生からも距離を置かれるようになってしまった。
友達がいない。
1人は寂しい。
視えるのを隠さないといけない。幼心にそう思って、小学校に入学してからは一切、言わなくなった。区別が出来るように努めたというべきか。
視えるということを気付かれないようにしてからは、少しずつ喋れる人が増えて行って、友達も出来た。
でも、言えないというだけでどこか距離を置いてしまう自分もいる。本当は全て言ってしまいたい。この葛藤をずっと続けている。
結局、自分は、昔、気持ち悪がられ、友達がいなかったあの頃のままなのだ。