瀧本さんだった。そう、隣の席の。
「手伝うよ。」
「え? なんで?」
「隣の席だから、助けてあげるように先生に言われて。」
「ああ、じゃあ後で餌あげてやってくれないかな?」
「わかったよ。」
 後、僕が水槽を教室へと戻したときだ。
「あーあ、濡れちゃってる。」
 瀧本さんがそういって僕の制服を拭いてくれたのだった。僕の顔が赤くなっていくのを感じる。
「ありがとう。」
 そう返したと思う。