今度は別校舎の科学室へと向かう。
 一番前の席に座り、 手前の席にいます。気軽にお声掛け下さい。 と書いた紙を置く。
 外の運動部の声が聞こえる中、僕は黙々と論文を書き始める。 僕はこの後、約2時間ペンを取って終了させた後、帰った。
「おい、天沢。」
 科学部の顧問の平川先生だ。いや、ほとんど来てないけど。
「あ、先生。お疲れさまです。」
 僕から見た先生は師匠のような方だ。先生は一宮で生まれて県立の高校を行き、そして東京の大学へと向かった後、地元に帰ってきた。そして今、一人で科学系の本屋を経営しながら、一人で研究をしている。みんなに実験を見せることもたまにある。
「論文、書き終わったか?」