放課後、僕は瀧本さんを平川先生の家に連れて行った。この日は、部活がなかったのもあり、運が良かった。
「こんにちは。」
「お邪魔します。」
 先生が変わった表情で聞く。
「天沢、この女の子はだれだ?」
 瀧本さんが自己紹介する。
「瀧本美羽です。天沢くんにこの先生を教えてもらいました。」
「そうか、そうか。」
 先生が目を細める。
「ゆっくりしていってね。本とか沢山あるから。」
 先生が奥の部屋に行く。
「じゃあ、湯川秀樹はここかな。」