それは私が6年生の時だった。
私達三人は仲が良かった。
当然中学になっても一緒にいるものだと思っていた。
けど、それは思い過ごしで、上辺だけの友達にすぎなかった。
「夏美はどれがいい?
3人でお揃いのキーホルダー」
笑顔で顔を覗き込んでくる、梨沙《りさ》。
「こっち以外ありえないでしょ!」
自分の意見をはっきり言う蘭《らん》。
「どっちも可愛い!」
「でしょ、私はこっちがいいんだけどなー」と不満げに口を突き出して梨沙が言う。
「ない、ない絶対こっち!」負けじと蘭も言う。
二人はいつも意見が合わず喧嘩をしている。
仲がいいのか、分からないように感じるけど、ずっと一緒にいるのだから仲がいい。私を含めて。
私はそんな二人を尊敬していて、大好きだ。
大好きだった。
ある日、私はいつも通り学校に行った。
来てすぐ梨沙と蘭に気づいて、
「おはよう」と挨拶をした。
二人からの反応はなかった。
ちょうど先生が来たから、言わなかっただけかもと思い、この時は気にも留めていなかった。
でも、休み時間になって話しかけても、二人は話してくれなかった。
私は二人に無視されたのだ。
私は私なりに二人が無視をする理由を一生懸命考えた。
しかし、昨日はいつも通りだったのに、朝挨拶した時にはもう無視されていた。
だか昨日の放課後に何かしたのかと思ったけれど、思いあたる事はなにもなかった。
結局、私は放課後、二人に聴いてみることにした。
「梨沙、蘭、私なにかした?
考えたんだけど思いつかなくて
なにかしたなら、謝るし次から気をつけるから
無視しないで!
お願い!」
私は一生懸命自分の気持ちを二人に伝えた。
しかし二人の反応は私の予想を遥かに超えた。
「ギャッハハハ」
「はっはふっふっやっやばい」
二人は爆笑したのだ。
私は訳もわからず、ただただ突っ立ていた。
「ドッキリ大成功〜」
「ヒューウ、ヒューウ、パフパフ」
「思ったより夏美が良い反応してくれて、笑った。」
「実はいきなり無視をしたらどう言う反応をするか、というかドッキリでしたー」
「ごめんね〜」
「無視してる時、めっちゃ焦ってるし、笑い堪えるの大変だったんだよ」
悩んだ私のことなんて知らず、ケロっとした顔で二人は言う。
「そ、そっか〜。よかったー」私は多分笑いながら言った。
「あー楽しかった。」
「ウチらずっと友達でしょ」
「無視されても友達でいてくれるって、どんだけいい奴なんだよ〜」
と二人は楽しそうに言った。
そのあと、私は笑顔を張り付けて、二人と一緒に帰った。
家に帰って、布団に入っても、なかなか眠れなかった。
二人は、何故いきなりドッキリなんてしようと思ったのか。
私は考えても思いつかなかったから、考えるのをやめて。
羊を数えた。
しかし、次の日から二人は私に対する扱いが変わった。
まるで、実験動物を見るような。
「捕まえて」
「夏美逃げんなよ」
私は毎日二人に追いかけ回されて、こちょこちょと言う名の遊びをしていた。
蘭が私を押さえて、梨沙がこちょこちょをする。
しかし、梨沙のこちょこちょはこちょこちょと言うより、つねっていると言う方があっているほど痛かった。
「助けて!」
私は教室で毎日叫んだが、笑っているので、冗談と見られたのか、それとも梨沙と蘭だったからか、分からないけど、助けてくれる人はいなかった。
それから私は一人でいることが多くなった。
しかし、蘭か梨沙のどっちかが休むと前みたいに優しく私に話しかけてくれた。
いいように使われているだけだ。
それでも心のどこかで喜んでいる自分がいて、そんな私もまた、嫌いだった。
いじめとは、もっとしんどいことで、こんなのいじめじゃないって思ったから、ずっと耐えた。
もっとしんどい人はいっぱいるからと思って、ずっと我慢した。
陰で「あんな奴友達じゃないよ」
「遊んであげているだけ」
と二人が話しているのをよく聞いた。
私達はそれだけの関係だったのだ。
それでも私はなにも出来ず、卒業した。
私達三人は仲が良かった。
当然中学になっても一緒にいるものだと思っていた。
けど、それは思い過ごしで、上辺だけの友達にすぎなかった。
「夏美はどれがいい?
3人でお揃いのキーホルダー」
笑顔で顔を覗き込んでくる、梨沙《りさ》。
「こっち以外ありえないでしょ!」
自分の意見をはっきり言う蘭《らん》。
「どっちも可愛い!」
「でしょ、私はこっちがいいんだけどなー」と不満げに口を突き出して梨沙が言う。
「ない、ない絶対こっち!」負けじと蘭も言う。
二人はいつも意見が合わず喧嘩をしている。
仲がいいのか、分からないように感じるけど、ずっと一緒にいるのだから仲がいい。私を含めて。
私はそんな二人を尊敬していて、大好きだ。
大好きだった。
ある日、私はいつも通り学校に行った。
来てすぐ梨沙と蘭に気づいて、
「おはよう」と挨拶をした。
二人からの反応はなかった。
ちょうど先生が来たから、言わなかっただけかもと思い、この時は気にも留めていなかった。
でも、休み時間になって話しかけても、二人は話してくれなかった。
私は二人に無視されたのだ。
私は私なりに二人が無視をする理由を一生懸命考えた。
しかし、昨日はいつも通りだったのに、朝挨拶した時にはもう無視されていた。
だか昨日の放課後に何かしたのかと思ったけれど、思いあたる事はなにもなかった。
結局、私は放課後、二人に聴いてみることにした。
「梨沙、蘭、私なにかした?
考えたんだけど思いつかなくて
なにかしたなら、謝るし次から気をつけるから
無視しないで!
お願い!」
私は一生懸命自分の気持ちを二人に伝えた。
しかし二人の反応は私の予想を遥かに超えた。
「ギャッハハハ」
「はっはふっふっやっやばい」
二人は爆笑したのだ。
私は訳もわからず、ただただ突っ立ていた。
「ドッキリ大成功〜」
「ヒューウ、ヒューウ、パフパフ」
「思ったより夏美が良い反応してくれて、笑った。」
「実はいきなり無視をしたらどう言う反応をするか、というかドッキリでしたー」
「ごめんね〜」
「無視してる時、めっちゃ焦ってるし、笑い堪えるの大変だったんだよ」
悩んだ私のことなんて知らず、ケロっとした顔で二人は言う。
「そ、そっか〜。よかったー」私は多分笑いながら言った。
「あー楽しかった。」
「ウチらずっと友達でしょ」
「無視されても友達でいてくれるって、どんだけいい奴なんだよ〜」
と二人は楽しそうに言った。
そのあと、私は笑顔を張り付けて、二人と一緒に帰った。
家に帰って、布団に入っても、なかなか眠れなかった。
二人は、何故いきなりドッキリなんてしようと思ったのか。
私は考えても思いつかなかったから、考えるのをやめて。
羊を数えた。
しかし、次の日から二人は私に対する扱いが変わった。
まるで、実験動物を見るような。
「捕まえて」
「夏美逃げんなよ」
私は毎日二人に追いかけ回されて、こちょこちょと言う名の遊びをしていた。
蘭が私を押さえて、梨沙がこちょこちょをする。
しかし、梨沙のこちょこちょはこちょこちょと言うより、つねっていると言う方があっているほど痛かった。
「助けて!」
私は教室で毎日叫んだが、笑っているので、冗談と見られたのか、それとも梨沙と蘭だったからか、分からないけど、助けてくれる人はいなかった。
それから私は一人でいることが多くなった。
しかし、蘭か梨沙のどっちかが休むと前みたいに優しく私に話しかけてくれた。
いいように使われているだけだ。
それでも心のどこかで喜んでいる自分がいて、そんな私もまた、嫌いだった。
いじめとは、もっとしんどいことで、こんなのいじめじゃないって思ったから、ずっと耐えた。
もっとしんどい人はいっぱいるからと思って、ずっと我慢した。
陰で「あんな奴友達じゃないよ」
「遊んであげているだけ」
と二人が話しているのをよく聞いた。
私達はそれだけの関係だったのだ。
それでも私はなにも出来ず、卒業した。