「梅雨〜元気〜?」
こうして放課後、いつも夏美はきてくれる。

私が部屋を出れなくなって1ヶ月を過ぎた頃、夏美は初めて私の部屋の前まで来た。
「梅雨、一緒に学校行こう。
学校じゃなくても、一緒に遊ぼう。
ねぇ、なんで何も言ってくれないの?
私はそんなに頼りない⁉︎」
夏美は泣きながら、私に怒鳴った。
でも私は何も言わなかった。
「そこどいて、危ないから」
夏美が怒りに合わせていう。
何をするんだろう?
でも私には関係ないか。
そう思っていたら、私の部屋の扉が飛んできた。
「いい加減にして!」
夏美は激怒していた。
しかし、私には夏美の怒っている理由がわからない。
きっと、私がまた傷つけてしまったのだろう。「今、“また傷つけてしまった”とか思ってる?
だから怒ってるって思った?
違うから、全然違うから。
私が怒ってるのは、梅雨が私に何も言ってくれないから。
梅雨が辛いとき何もできない私にも怒ってるし、話してくれない梅雨にも怒ってるの」
夏美の言葉を理解するのに時間がかかった。
私は、目を見開いて驚いた。
「だから、話して、お願い!」
夏美の必死のお願いに、私は話すことにした。