「幼なじみのままでも、宏美のそばにいることができるならばそれでもよかった…。

例え私の思いが報われなくても、宏美と一緒にいられるなら幼なじみのままでもいいって思ってた…」

自分の気持ちを宏美に告げたら、
「心美…」

名前を呼んだ彼に向かって、宏美は微笑んだ。

「宏美、本当なんだよね…?」

確認のためにもう1度聞いたら、
「ああ、本当だ。

俺は、心美が好きだ」

宏美は答えてくれた。

(これは、夢じゃないんだよね…?

全部、本当のことなんだよね…?)

「私、すごく嬉しい…。

宏美は鈍いから、私の気持ちなんて絶対にわからないって思ってた…」

心美が言ったら、
「鈍いって言うな、鈍いって」

宏美が不機嫌になったと言わんばかりに言い返した。

だけど、本当のことである。