『流星群は、奇跡を運んでくるんだよ』

 蘇る彼の声。
 彼が言うと、本当に奇跡が起きるような気がしていた。

 でも、もう私は知っているの。
 奇跡なんてこの世には起こらない。

 あのころは、毎日のようにいろんな神様に願った。
 どうか奇跡が起きますように。彼がずっとそばにいてくれますように。

 願いは届かず、奇跡も起きなかった。


 星弥だけがいないこの世界に、私はひとりぼっちで残されたんだ。