膝の上に洗い上がったばかりの体操服を広げてみると、それは私が思っていたよりも随分とサイズが大きかった。
さすがに女子のとは違うもんだ。加瀬くん、背え高いもんね。
綺麗にたたんでぽんぽんと表面を撫でるように叩いた拍子に、そういえば加瀬くんニオイ気にしてたっけ、って思い出す。
体操服を鼻に近づけてくんくん嗅いでみると、やわらかい柔軟剤の香りがした。
うん、大丈夫。くさくない。
しっかしなあ・・
はーあ、って重いため息が漏れる。
普通なら、着れない。
男子が使った後の体操服なんか、まず無理なのだ。
だって例えば、あれがクラスの他の男子ーーー加瀬くん以外の男の子のものだったとしたら、私は絶っっ対に着れてない。
そりゃ正直に言えばちょっとは汗臭かった。
石鹸やお日様の香りなんかとは、ほど遠かった。
だけど少々汗臭かろうが男臭かろうが、気にならなかったんだもん。加瀬くんに平気って言ったのは嘘じゃない。
あの時の私の『全然ヘーキ』は『好き』と同義語だ。
おまけにあの後の私ときたらーーーヨクとトキメキに流されて、完全に自分を見失ってしまってた。
自分の失態の数々に頭を抱える。
これでバレないはずがない。
もうダメだ、って思ってたのに。
なのに翌日学校に行ってみると、加瀬くんはすんごい普通でいつも通りだったのだ。
「オハヨ、小宮山。風邪ひいてない?」
「ウン。昨日はありがとう」
「いーよ、全然。元気でヨカッタ」
ア、アレ?
思ってたのとだいぶ違う。
もしかして、私の気持ち、バレてない??
安堵で一気に力が抜ける。
てか、加瀬くんニッブ・・むしろ大丈夫?
いつも以上に能天気な加瀬くんの様子に唖然としつつも、私はホッと胸を撫でおろし、安心して彼の顔を眺めることができたのだった。
さすがに女子のとは違うもんだ。加瀬くん、背え高いもんね。
綺麗にたたんでぽんぽんと表面を撫でるように叩いた拍子に、そういえば加瀬くんニオイ気にしてたっけ、って思い出す。
体操服を鼻に近づけてくんくん嗅いでみると、やわらかい柔軟剤の香りがした。
うん、大丈夫。くさくない。
しっかしなあ・・
はーあ、って重いため息が漏れる。
普通なら、着れない。
男子が使った後の体操服なんか、まず無理なのだ。
だって例えば、あれがクラスの他の男子ーーー加瀬くん以外の男の子のものだったとしたら、私は絶っっ対に着れてない。
そりゃ正直に言えばちょっとは汗臭かった。
石鹸やお日様の香りなんかとは、ほど遠かった。
だけど少々汗臭かろうが男臭かろうが、気にならなかったんだもん。加瀬くんに平気って言ったのは嘘じゃない。
あの時の私の『全然ヘーキ』は『好き』と同義語だ。
おまけにあの後の私ときたらーーーヨクとトキメキに流されて、完全に自分を見失ってしまってた。
自分の失態の数々に頭を抱える。
これでバレないはずがない。
もうダメだ、って思ってたのに。
なのに翌日学校に行ってみると、加瀬くんはすんごい普通でいつも通りだったのだ。
「オハヨ、小宮山。風邪ひいてない?」
「ウン。昨日はありがとう」
「いーよ、全然。元気でヨカッタ」
ア、アレ?
思ってたのとだいぶ違う。
もしかして、私の気持ち、バレてない??
安堵で一気に力が抜ける。
てか、加瀬くんニッブ・・むしろ大丈夫?
いつも以上に能天気な加瀬くんの様子に唖然としつつも、私はホッと胸を撫でおろし、安心して彼の顔を眺めることができたのだった。