トイレから少し離れたとこにある四角い柱にもたれて、オレは小宮山の着替えが終わるのを待っていた。
しばらくすると、ブカブカの体操服とずり落ちそうな短パンをはいた小宮山が荷物をごっそりと抱えて多目的トイレから出てきた。
ガバガバの男物の上下、素足にローファー。
髪はプールの後みたいに濡れている。
なんかもう、上から下まで気の毒になるほどチグハグだ。
確かにこれじゃあ、電車乗りたくねえかもなあと頷く。
「ゴメンね、おまたせ」
「いや、いーよ。それよりさーーー体操服、くさくない・・?」
体育の後、適当にカバンにつっこんどいた体操服だ。どうしても気になって聞いてみると、小宮山がいきなり片腕をあげて、袖口のあたりに鼻をくっつけた。
んで、止める間もなく、くんくんニオイを嗅ぎはじめちゃう。
それ見てオレは血の気がひいた。
うっわあ、ヤメテお願い!
オマエ、案外デリカシーってもんがねえ!!
オレの気持ちなんか気にもしてない小宮山が首をひねる。
「別にくさくないけど?」
「そ、そう」
ホッとして胸をなでおろしたのも束の間、小宮山が休む間もなくオレの心を掻き乱す。
「あ。でもねえ、強いて言えば・・」
「し、強いて言えば!??」
何を言われるか想像もつかず縮み上がるオレに小宮山がのんびりと言い放った。
「加瀬くんのニオイがする」って。
「オレのニオイって・・オマエ嫌じゃないの?」
「べつに。イヤじゃない」
事もなげに、さらりと肯定されるオレのニオイ。
「あ、そう・・」
イヤじゃないのか。
オレのニオイ。
へたりこみそうになるの我慢したのは、今日これでもう2回目。
しばらくすると、ブカブカの体操服とずり落ちそうな短パンをはいた小宮山が荷物をごっそりと抱えて多目的トイレから出てきた。
ガバガバの男物の上下、素足にローファー。
髪はプールの後みたいに濡れている。
なんかもう、上から下まで気の毒になるほどチグハグだ。
確かにこれじゃあ、電車乗りたくねえかもなあと頷く。
「ゴメンね、おまたせ」
「いや、いーよ。それよりさーーー体操服、くさくない・・?」
体育の後、適当にカバンにつっこんどいた体操服だ。どうしても気になって聞いてみると、小宮山がいきなり片腕をあげて、袖口のあたりに鼻をくっつけた。
んで、止める間もなく、くんくんニオイを嗅ぎはじめちゃう。
それ見てオレは血の気がひいた。
うっわあ、ヤメテお願い!
オマエ、案外デリカシーってもんがねえ!!
オレの気持ちなんか気にもしてない小宮山が首をひねる。
「別にくさくないけど?」
「そ、そう」
ホッとして胸をなでおろしたのも束の間、小宮山が休む間もなくオレの心を掻き乱す。
「あ。でもねえ、強いて言えば・・」
「し、強いて言えば!??」
何を言われるか想像もつかず縮み上がるオレに小宮山がのんびりと言い放った。
「加瀬くんのニオイがする」って。
「オレのニオイって・・オマエ嫌じゃないの?」
「べつに。イヤじゃない」
事もなげに、さらりと肯定されるオレのニオイ。
「あ、そう・・」
イヤじゃないのか。
オレのニオイ。
へたりこみそうになるの我慢したのは、今日これでもう2回目。