悲壮感をドロドロと漂わせつつ、膝の上の数プリをゆっくりと畳み終えると、小宮山はシャーペンの芯をカチリとおさめて、ペンケースにポイと放り込んだ。

「ホントはわかってたんだ。こんなのダメだって・・」

次々とカバンに荷物を詰め込みはじめる小宮山。
そして帰り支度を整えると、カバンを抱えてオレにまっすぐ向き直った。

「ゴメンね。もういいよ。次いってくれていい」
「ちょっと待て。オレ、次にいくとは一言も言ってねえ」
うつむきがちの小宮山の顔を下からのぞきこんでシッカリ目を合わせる。
「なあ、このままオレと一緒にいる?」
「一緒にいたい・・」

そう言って頷く彼女の顔は、なんだかすごく必死で切なげで。
オレの欲しい言葉も肩書も、何一つとして与えてはくれないくせに、正体不明の甘ーい『何か』でオレをぐるぐる巻きにしてくれる。オレはどうしてもその『何か』からーーー彼女から離れられない。
なんて女だ。酷すぎる。

んだけどオレは確信したのだ。

オレと小宮山の関係は、田口たちとは全然違う。
これはおそらくオレの知るどのパターンにも当てはまらない未知の事態だ。

だからきっと型にはまった解決方法なんてない。