ちまちまとややこしい式を解く手を止めて、オレは唐突に話を切りだした。
「なあ。あの条件取り消していいよ?」
オレの手元を眺めてた小宮山がハッと顔を上げて目を見張る。
「取り消す?? 条件を?」
「ウン。あれ、やっぱなかったことにしよ」
オレが今日、小宮山をここへ誘ったのは、これを彼女に伝えたかったから。
オレにばっか都合のいい理不尽な条件を白紙に戻してやりたかったのだ。
チョットもったいねえなあって思わなくもないけれど。
んだけどなんだか・・それを伝えた途端、小宮山の様子がおかしくなった。
難しい顔をして数プリに視線を落とし、シャーペン握りしめたまま硬直する彼女。
「ーーーオイ。どーした? 親切なオレにありがとうは?」
「あ、ありがとうと言えばありがとう・・・・んでもこれって、ありがたいハナシなの・・?」
数プリの上にあわあわとシャーペンを放ってオレのほうへ身体ごと向き直り、すがるような目をした小宮山がオレをみつめる。
「ねえ、約束取り消しちゃったらどうなるの?」
「どうなるって何が?」
「だってあれ、私と友達でいてくれるための条件だったじゃん。それやめちゃったら私たちどーなるの? もう友達じゃなくなるの?」
焦ってオレにそう聞いてくる小宮山の様子は、条件取り消して自由にしてやるって言ってんのに、なぜだかちっとも嬉しくなさそうなのだ。
オレは思わぬ事態に首をひねった。
だってこういうのは想像してなかった。
オレが手を離してやれば、当たり前のようにすんなり距離を取られるもんだとばかり思ってたから。
「友達は友達だろ。条件なくしたって」
「でも今みたいな友達じゃなくて、離れてっちゃうんでしょ?」
「・・・・は??」
握りしめたまんまになってたオレのお気に入りのシャーペンが、ぽろりと膝の上に落っこちた。
ええええ。チョットまて。
これってどーゆう意味? どーゆう展開!?
ドキドキしながら聞いてみる。
「・・オレに、離れてほしくないの?」
「このままがいい」
「!!!」
素直に頷いて頬を染める小宮山の様子に、否が応でもオレの期待は高まった。
色々忘れて、思わず腕まわして小宮山を抱きよせちゃう。
「じゃ、じゃあオレとつきあう・・!?」
心拍数が一気に跳ね上がる。突然の展開にブッ倒れそうになりながらも、吸い寄せられるように彼女の耳元で囁いてみちゃうオレ。
が、これには小宮山が大慌てて逃げ出した。
「そそそ、それはだってホラ、私ら友達だから。なんてゆーか、ええっと・・」
なーんだ。やっぱダメか。
もう一瞬でトーンダウン。
「友達以上はダメなわけね?」
「ゴメン・・」
しかしオレは本気で首をひねった。
ひとっつもわからん。一体小宮山が何をどうしたいのか。
「なあ、たとえばさ? オレが小宮山のこと諦めて他の子にいったりすんのはアリなの?」
そんなふうに聞いてみると、小宮山が「ヤだ」つって悲しそうに眉を下げる。
オレのこと拒否るくせに、離してくれる気もないらしい。
「なんでどっちもダメなんだよ。んじゃオレ、飼い殺しじゃねーかよ」
「か、飼い殺し・・!?」
ガーンってショック受けて、小宮山がガックリとうなだれた。んで「ゴメン。やっぱワガママだよね・・」とか言って落ち込み始める。
うん。ワガママ。
普段の小宮山からは考えられない、すさまじいレベルのワガママだ。
んだけどこれ、どーいうこと?
オレって一体、小宮山の何?
「なあ。あの条件取り消していいよ?」
オレの手元を眺めてた小宮山がハッと顔を上げて目を見張る。
「取り消す?? 条件を?」
「ウン。あれ、やっぱなかったことにしよ」
オレが今日、小宮山をここへ誘ったのは、これを彼女に伝えたかったから。
オレにばっか都合のいい理不尽な条件を白紙に戻してやりたかったのだ。
チョットもったいねえなあって思わなくもないけれど。
んだけどなんだか・・それを伝えた途端、小宮山の様子がおかしくなった。
難しい顔をして数プリに視線を落とし、シャーペン握りしめたまま硬直する彼女。
「ーーーオイ。どーした? 親切なオレにありがとうは?」
「あ、ありがとうと言えばありがとう・・・・んでもこれって、ありがたいハナシなの・・?」
数プリの上にあわあわとシャーペンを放ってオレのほうへ身体ごと向き直り、すがるような目をした小宮山がオレをみつめる。
「ねえ、約束取り消しちゃったらどうなるの?」
「どうなるって何が?」
「だってあれ、私と友達でいてくれるための条件だったじゃん。それやめちゃったら私たちどーなるの? もう友達じゃなくなるの?」
焦ってオレにそう聞いてくる小宮山の様子は、条件取り消して自由にしてやるって言ってんのに、なぜだかちっとも嬉しくなさそうなのだ。
オレは思わぬ事態に首をひねった。
だってこういうのは想像してなかった。
オレが手を離してやれば、当たり前のようにすんなり距離を取られるもんだとばかり思ってたから。
「友達は友達だろ。条件なくしたって」
「でも今みたいな友達じゃなくて、離れてっちゃうんでしょ?」
「・・・・は??」
握りしめたまんまになってたオレのお気に入りのシャーペンが、ぽろりと膝の上に落っこちた。
ええええ。チョットまて。
これってどーゆう意味? どーゆう展開!?
ドキドキしながら聞いてみる。
「・・オレに、離れてほしくないの?」
「このままがいい」
「!!!」
素直に頷いて頬を染める小宮山の様子に、否が応でもオレの期待は高まった。
色々忘れて、思わず腕まわして小宮山を抱きよせちゃう。
「じゃ、じゃあオレとつきあう・・!?」
心拍数が一気に跳ね上がる。突然の展開にブッ倒れそうになりながらも、吸い寄せられるように彼女の耳元で囁いてみちゃうオレ。
が、これには小宮山が大慌てて逃げ出した。
「そそそ、それはだってホラ、私ら友達だから。なんてゆーか、ええっと・・」
なーんだ。やっぱダメか。
もう一瞬でトーンダウン。
「友達以上はダメなわけね?」
「ゴメン・・」
しかしオレは本気で首をひねった。
ひとっつもわからん。一体小宮山が何をどうしたいのか。
「なあ、たとえばさ? オレが小宮山のこと諦めて他の子にいったりすんのはアリなの?」
そんなふうに聞いてみると、小宮山が「ヤだ」つって悲しそうに眉を下げる。
オレのこと拒否るくせに、離してくれる気もないらしい。
「なんでどっちもダメなんだよ。んじゃオレ、飼い殺しじゃねーかよ」
「か、飼い殺し・・!?」
ガーンってショック受けて、小宮山がガックリとうなだれた。んで「ゴメン。やっぱワガママだよね・・」とか言って落ち込み始める。
うん。ワガママ。
普段の小宮山からは考えられない、すさまじいレベルのワガママだ。
んだけどこれ、どーいうこと?
オレって一体、小宮山の何?