黙って聞いてた翔太も尚の言葉にウンウンと頷いた。
「もしかしたら生理的に受けつけねえってヤツかもだぞ? 田口のやつそれで山下さんにフラれたんだって。女子が言ってた」
「ええっ、嘘だろ、田口フラれたの!?」

山下さんと田口。
同じ委員会のふたりは、傍目にはスゲー仲が良さそうに見えていたのだ。だから「あのふたり、そのうちつきあい出すぜ」ってのが、大方の男子による見解だった。
それがまさか。
男の目には、田口の何がダメだったのか、正直まったくわからない。

「なあ、生理的にダメでも仲良くはできるわけ・・?」
オレのつぶやきに翔太が頷く。
「そーなんじゃねえの? だって山下さん、田口本人には『これからもいい友達でいよう』って言ったんだってよ。まんま律と同じじゃねえ?」

「ーーーホントだ、オレと同じ」

って思った途端、オレはモーレツな不安に襲われた。
もしかしてオレもそうなの? 『生理的に受けつけない男』なの??