山本が差し出してきたのは、加瀬と小宮山のプリントだった。
2枚を見比べてみれば、山本が丸をつけられなかった問題以外にも、怪しいくらいに全く同じ式、同じ解答が並ぶ。

「コレは・・どっちかがマジメにやってねえかもしれねえなあ」

で、例の式はといえばーーー
「はーん。面白い解き方してんな、コレ」
なかなか頭のいい解き方がされているそれは、オレの解答とは違うけど悪くない。
「それ合ってんですか?」
「おう。正解だわ。いいよ、オレが丸つけとく。ありがとな」
って山本を返して、そのついでに伝言を頼んだ。
「加瀬と小宮山に職員室来るように言ってくれるか」って。

コレは間違いなく加瀬の式。
数学ズタボロの小宮山にはまずムリだ。