「小宮山あ」

ってだらしなくデレデレする兄ちゃんはすげー不気味だったけれど、恋に全く縁のないオレには、正直、羨ましくもあった。

すんげえ好きなんだろなあ・・って感心してたら、いきなり兄ちゃんが小宮山さんに手を出した。
小宮山さんが慌てる。
それと一緒にオレも慌てた。

つっても、オレの慌て方は小宮山さんのとは全然別もの。
急いでゲームほっぽってベッドに這い上がり、胸をバクバク高鳴らせつつ、そーっと壁に耳を押し当てる。
中3のオレはもう、興味津々。

でも盗み聞きはすぐにバレて、部屋に乗り込んできた兄ちゃんにオレはメチャメチャ怒られた。