そんなある日曜日、オレと莉緒ちゃんはふたりで坂川へ遊びにでかけた。
久しぶりにふたりでデート。

待ち合わせ場所に現れた莉緒ちゃんは、学校での雰囲気とはガラリと変わって、服装から髪型までものすごくオシャレで気合が入ってた。たぶん少し化粧もしてる。顔のパーツがいつもよりちょっとずつ違うから。
莉緒ちゃんて子は自分磨きを怠らない。頭のてっぺんから爪先まで気を抜かずムチャクチャ頑張る。そーゆうのがサッパリわからないオレにも、莉緒ちゃんに全く手抜きがないってことだけはハッキリとわかった。

一方、オレはごく適当で、いたってフツー。
たぶん、すっげえダサいわけでも、すっげえオシャレなわけでもなく、ただ普通。

実は私服ででかけるのは今日が初めてだった。
待ち合わせ場所で顔を合わせた瞬間に、オレの上から下まで、莉緒ちゃんがサーッと視線を走らせたのがわかった。そしてほんのわずかにだけど、彼女の眉間にシワがよる。
それ見て、やべえな、マズかったかなって思った。
だけど、すぐにいつも通りの莉緒ちゃんに戻ってニコニコと笑ってくれるから、オレはホッとしてすぐにそれを忘れてしまったのだ。