その後は打って変わって祝福ムード。
「先生、スシ食いにいきましょ」
ってお父さんが言い出して、6人でお寿司を食べに行くことになった。

加瀬くんのご両親はざっくばらんで、お父さんは優しく穏やか。お母さんは雰囲気が加瀬くんそっくりだった。

「まさかあの時のお嬢さんが」
「ビックリしたわー」
って昔話が始まる。

「兄ちゃん、昔からすげー好きだったもんね、すみれサンのこと。ねえ、なんでまだ苗字で呼んでんの?」
「うるせー。てかオマエがすみれサンとかゆーな!」

加瀬くんを無視して圭太くんが私のほうに首を伸ばした。
「ねえ、すみれサン、ホントに兄ちゃんでよかったの? これからもっといいオトコに出会えるかもしんねーのにさ。まだハタチじゃん」
そしたらそれを聞いてた小野先生が首を横にふり、
「いーや。小宮山はこのまま加瀬と結婚すんのがベストだぞ? 加瀬よりイイ男なんか早々みつかんねえよ」
なんて言っていくらの軍艦をぱくりと口に放り込む。