渋ーい顔した加瀬くんが腕の中の私をみつめる。
「オマエさあ、オレが何言いたいかわかってるよね、絶対」
「んーん、全っ然わかんない。お願い、友達のままでいて!」
「・・やっぱわかってんじゃねーかよ」

だってこうするしかない。他になんにも思いつかないんだから。

「今まで通りでいてよ。友達がいい」
「なんでだよ、オレはそれじゃヤなんだよ・・せめて言わせてくれる?」
切ない声を漏らす加瀬くんの様子に胸がギリギリと痛んだ。
だけど、それでも絶対に加瀬くんの告白を聞くわけにはいかない。
好きな男の子の腕の中で、私はありえないくらい頑なに首を横にふった。
「ダメ!」
「なんで??」

告白を拒み続ける私に、加瀬くんの顔にはもう困惑の表情しかなくーーー

「なあ、こんなバレバレなのに何で言っちゃダメなの?」
「なんっっにもバレてないケド?」
つーんとシラを切る私に加瀬くんがひきつった。
「オマエまだそれやる気!?」
「だって聞きたくない。オネガイ!」
「えーー・・」