「配膳はなるべくオレがやってやるから、小宮山さんは会計やってよ。ニオイが嫌なんでしょ?」
意外にも先輩は妊婦の事情に明るかった。
涙の出そうな助け舟を約束してくれる。
「先輩、アリガト・・」
「いーよ。気分悪くなったらすぐ言えよ」
「ウン」

日曜の夜を最後に、加瀬くんからの連絡は途絶えていた。
一体どうやって仕事を探しているのか見当もつかなかったけど、とにかく私は待つしかなくて。
いつも通り大学に行って、バイトして、ちゃんとゴハンを食べてしっかり寝る。それくらいしか、私にできることはなかった。