「なあ、それご両親にちゃんと話したか？」
「まだです」
「じゃあまず親に話せ。オマエまだ学生だろが」
「ヤだ。就職先確保してから話したいんだよ」
小野の眉毛がぴくりとひきつる。
「・・もしかして小宮山の親にも言ってねえの？」
「ウン」
「えーー・・」
小野の顔が露骨に曇った。

親が絡んでくるとこが一番メンドクサイ。
きっとそれは教師も一緒なのだろう。

「仕事みつかったら、うちの親にも小宮山のゴリョーシンにもちゃんと話してお願いするから」
「それはもうお願いじゃねえよ。報告だわ。しかも一番最後のやつ！」
「・・ウン。まあね」

「あーオレ、どうしたらいいかわかんねえ。先生だけど！」
小野がソファの背にもたれて天井を仰ぐ。