「で、なに?」
弁当の包みをときながら小野が促す。

「先生、実はーーー」

怒られるの覚悟でオレは小宮山のことを話した。
そしたら・・
「なにしてんの、オマエ! ヘタクソだな、どーすんだよ!?」
小野が箸持ってない方の手を眉間に当ててガックリ項垂れる。
それと一緒につまんでたコロッケがつぶれてボロッと崩れた。

「小宮山、身体大丈夫か?」
「わかんないけど、すげー寝る」
「あ、そう」
小野が食うのを忘れて何か考え始める。
「でもなあ。こんなこと相談されても、オレ、なんもわかんねえよ?
あ。もしかしてアレか? 中絶するのにホショーニンとかいるわけ? 名前貸せとかそういうこと?」
小野は中絶に関しては全く無知だった。