小宮山のとこから戻った翌日、小野に会うために、オレは大学をサボって門島へ向かった。
昼休みを狙って職員室に顔を出すと、小野はすぐにみつかった。
オレらがいた頃と同じ席にいたから。

「加瀬じゃねーか、久しぶりだなあ。元気にやってるか？」
「元気だよ。先生も変わんないね」
卒業してまだ２年だけど、懐かしくてついあれこれしゃべっちゃう。
「ところでおまえ、何しにきたの？」
「オレ、先生にハナシがあるんだけど」
「オレ？？」
ウンウン頷いて、スゲー大事な話があるんですって言ったら、小野はオレを応接室みたいな立派な部屋に入れてくれた。