だって今じゃなきゃダメなのだ。その理由はもちろんーーー

オレは小宮山のおなかにそおっと手を置いてみた。
彼女のおなかはまだ真っ平。だけどここには確かにオレらの子供がいる。
「今オレらが動かねえと、コイツは生きられないよ? オレ、オマエのことおなかの子供ごと守ってやりたい」
オレがそう言うと、小宮山はガックリうつむいて頭を抱えた。
「ああもう、なんでそんなにオトコマエなの・・そんなふうに言われたら何が正解なんだかわかんなくなる・・」
「へへへ。なんでもいーじゃん。結婚しよーぜ?」
ポロポロ涙こぼして泣き始めた小宮山を、オレは大事に大事に抱き寄せた。

その後、小宮山はしばらくなんにもできなくなった。
オレらがメシ食ったのは、もう随分夜が更けてから。

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