小宮山がビックリしてオレを見る。

「・・え、まって。よくわかんない。バイト増やすってこと? コドモのために・・??」

「バイトじゃなくて、ちゃんと就職する」って言ったら、小宮山がまた真顔で放心した。
「あーもー。またかよ・・」
小宮山の肩をゆすって呼び戻す。
「おい、ちゃんと聞け。仕事みつかったらオレと結婚してくれる?」
「し、仕事って・・大学は・・?」
「やめる」

「やめるの!? B大を!??」
「ウン」
小宮山が頭を抱えてうずくまった。
「ゴメン。私が泣いたから・・」
「そーじゃねえよ。てか、しゃがむなよ。ハラ圧迫すんな」

心配して声をかけても、小宮山はオレの話なんか聞いちゃいない。もう、パニック。
そんなふうに一通り狼狽えて慌てまくった後、今度は小宮山、スゲー勢いで就職に反対しはじめた。オレの人生がメチャクチャになるつって。

「おーげさだな。メチャクチャになんかなんねーよ」
「なるよ、台無しじゃん・・! 子供できたからってB大中退するバカがどこにいんの!?」