そーっと身体をおこす小宮山の気配に気がついてぱちりと目をあけると、部屋の中はもう随分薄暗くなっていた。

「あ、ゴメン。おこしちゃった?」
「ーーーオレ寝てた!?」
「うん。すんごいよく寝てた」

ゆるーく笑った小宮山が、オレの寝癖を直そうとしてアタマをなでる。
オレのこと、大好きって顔して。

手櫛のセットがうまくいったのか、満足そうに頷いてベッドをおりようとする彼女を、オレは後ろからつかまえたのだ。

「チョットまって」
「なに?」

「ケッコン、しない?」
「エ?」

小宮山が真顔で固まった。
小宮山は心底驚くとこんな風になる。

「結婚して。オレと」

「け・・」ってつぶやいて、小宮山は放心した。
たぶん今、頭マッシロ。なんも考えてない。
小宮山をしっかり抱え直して、目を合わせてもう一回。

「結婚して」