しばらく黙ってボンヤリしてた小宮山がバッグから写真のようなものを取り出した。モヤモヤした背景の中に、ポツリと豆みたいな丸いものが写ってる。

「コレってもしかして・・」
「うん。赤ちゃん」

初めて見るおなかの中の写真。

「もう、心臓動いてるって・・」
「え・・」

小宮山がハナをすする。
ついでにゴシゴシと涙もぬぐう。

「ゴメン。これも妊娠のせいだから気にしないで。情緒不安定になるみたい。もう、帰ろ?」

家に帰ったら、小宮山は中絶の準備にとりかかった。
金をどうするか。バイトの休みいつならとれるか。
手術についてもアレコレ調べ始める。

「よかった。保険きかないから親にバレないかも・・」

それからーーー

「これ、同意書」
小宮山がA4の紙を取り出してオレに見せる。
「名前書いてもらっていい?」
「ウン」
「印鑑、今持ってないよね? 加瀬くんに預けとくから手術の日に持ってきて?」