「とにかく明日病院に行く」
小宮山がキッパリと言う。
「その時に、堕ろすのどうしたらいいか聞いてみる」

「・・・」

その夜は、ただくっついて一緒に眠った。
基本眠たい小宮山は横になってすぐ寝息をたてはじめ、秒で爆睡した小宮山に驚きすぎたオレは逆に眠れなくなってしまった。

こっそりキスしても、手えつないでみてもぴくりともしない。
すんげえよく寝てる。

・・やっぱこれも妊娠のせい?

翌日、小宮山は市内の産婦人科を受診した。
小児科も併設されてるためか、小さな子供がイッパイいる。もちろんおなかの大きい妊婦さんも。
普通の病院とは違う独特の雰囲気が漂う待合室に、男はオレとあともうひとりだけ。

「加瀬くん、外にいなよ。一人で大丈夫だから」
「いーよ、ココにいる」

小宮山が気を使ってくれるんだけど、オレはここで彼女の診察が終わるのを待つことにした。