そんな私に加瀬くんが静かにため息をつく。

「今回、オマエの誕生日じゃん。一緒にお祝いしよって約束したろ?」
「ウン」
「なのになんで?」
「えーっと・・」

加瀬くんがお酒のグラスを手に取った。
「おめでと。ハタチ」
テーブルに置きっぱなしの私のグラスに加瀬くんが自分のグラスをこつんとぶつける。カンパイって。

「飲まないの?」
加瀬くんの視線をビシバシと感じながら、私は仕方なくグラスを手に取った。
「イ、イタダキマス。ありがとう」
ちょっとだけ口をつけてなめてみる。
生まれてはじめて口にしたチューハイは、フルーティで甘ったるい桃の味。

「美味しい?」
「ウン。美味しい」
「あっそう」

ムスッとした加瀬くんが私の手からグラスを抜いた。
それをことりとテーブルに置きながら私に手を伸ばす。
「えーーー」
気がついたら床に押し倒されてた。

「か、加瀬くん、ゴハンは!?」
「いらない。先に抱かして」
「!!!」

あああ、どうしよう。
コレもダメな気がする・・!!