「早くあけろよ」
いつまでもバッグに手をつっこんでガサゴソしてる私に加瀬くんが疑わしそーうな目を向けてくる。
「あーゴメンゴメン、今開ける」

玄関の鍵を開けながら、私は少しだけ冷静になった。
大丈夫。加瀬くん、箱見たってアレが何だか絶対にわかんない。

「おまたせ。ドーゾドーゾ」
「・・・」

加瀬くんを先に部屋に入れ、彼の後ろから首を伸ばしてザッと部屋を見渡した。

ない。どこにも。

となるとーーーそうか、オフロだ!
加瀬くんから離れて、そおっとオフロのドアを開ける。

やっぱり・・!!

箱はユニットバスの棚の上に置いてあった。
素早く回収してバッグに隠し、ほっと息をつく。