そんな中、また、ピコンて受信音が響いた。
八木からの、『おい』って一言だけのメッセージがオレの神経を逆撫でる。
「まずコイツなんとかしてよ! 大丈夫って言って!」
「ウン。そだね・・」
オレに促されて、小宮山が慌てて返事を送った。
『大丈夫です、ありがとう』って。
ホッとひと息ついた小宮山がこれでヨシとばかりにスマホを放って、またフトンにもぐりこんだ。
んだけどこんな男の存在を放置したまま小宮山を寝かせてやるわけにはいかない。

「まてまて。まだ寝んな!」
すでに目が開かなくなってる彼女をおこして無理矢理座らせる。
「ねえ、もう死ぬほど眠いんだけど・・」
「まだダメ!! オレより、オマエのほうが全然アヤシイじゃねーか。コイツとどーいう関係!?」
「バイト先の先輩だよ。哲学科の3年生」

「コイツと仲良くしてほしくない」
「別に仲なんかよくない」
「ウソつけ」