オレは泣き続ける小宮山をぎゅうぎゅう抱きしめて、必死で宥めた。
不満全部聞いてやって、涙ぬぐってやって、苦しそうなしゃっくりの合間に慰めるみたいにキスして。

そんなことをしながら、オレは密かに胸を震わせていた。
チョット・・嬉しすぎて。
だってオレからしたら、好きだって叫ばれて泣かれたようなもんだったから。
なんかもう、後ろ暗くなるほどの優越感。

一方、しばらくして正気を取り戻した小宮山は、打って変わってドンヨリと落ち込み始めた。
「やらかした・・だからイヤだったのに・・」
「いいじゃん、たまには。それにあんだけギャーギャー泣いたらスッキリしたろ?」
「・・ウン。すっきりした・・」

カーテンの隙間から月明かりが薄くもれて、しゅんとする小宮山の顔を白く照らす。
そういえば今夜は明るい満月だった。