「泣いてんの?」
「・・・」

「ねえ」
「・・・」

「まさかまだ浮気疑ってーーー」
「ちがう。そーじゃなくて・・」
コッソリ泣くのを諦めた小宮山が、枕に突っ伏して本格的に泣きはじめた。
「浮気じゃなかったのは嬉しいけど・・」
「ウン」
「色々イヤなの!!」
「ん?」
「んで、そのイヤなのが更にイヤなの。とにかくもう、全部がイヤ!!」

ーーー全っ然わかんない。

「オマエ、主語がねんだよ。何がイヤか言ってみろよ」
「イ、ヤ!!」
「オマエねえ・・」

強情に枕に顔を埋めたまま動かない小宮山は、何を聞いてもイヤしか言わない。
「なあ、ちょっとだけしよ? オトナのスキンシップ。アレでだいたい落ち着くからさ。ね?」
って言って小宮山をくるりとひっくり返して上に乗る。
「ヤだってば! 触んないで!」
「うわ、暴れんなよ」
ガッチリおさえて、小宮山のヨワイとこばっか狙ってキスしてたら、
「ヤだって言ってんのに! バカーーー!」
って叫んで、小宮山がついにキレた。
んで、堰を切ったようにオレに文句を言い始める。