「どこかで服買おっか?」
「悪いけど小宮山買ってきてくれる? オレ、これじゃ店に入れねえ」
「わかった。待ってて」

加瀬くんは駅3階の多目的トイレで、ベトベトになった頭と顔を洗った。服もちゃんと着替えて。
そして今、私たちは3階の展望デッキで、加瀬くんの髪を乾かすためにひなたぼっこをしている。お天気がいいからきっとじきに乾くはずだ。

「ねえねえ、さっきの森口さんって誰?」
「あの子はさあ・・」