これって天然?
それともワザと?
どっちなんだか全然わかんない。

だけど、いっくら天然だからって、何でも許されるわけじゃねえ。

「ねえ、腕ほどいてくれる?」
「え? どうして?」
「こーゆうの彼女がイヤがる」

腕にグイグイ押しつけられてる本間さんの大きな胸を指差すと、彼女はオレからすっと身体を離した。
オレと距離をとった本間さんは、本当に残念そうに、ふんわりと笑った。
私じゃお友達にはなれないかなあ、って。

ウン、なれない。絶対に。

これ以後、オレは小宮山をアパートに呼べなくなった。
オレとしても、本間さんのいない所で穏やかに小宮山とすごしたい。

小宮山に不審に思われてるのもわかってんだけど、本間さん絡みで面倒なことになるよりは全然いいって思うから。