小宮山との間になんとなく距離ができたまま、気づけばオレらは大学2年生になっていた。

「なあ、コッチ向いて?」

背中を向けたままの小宮山にそう声をかけると、彼女は特に嫌がる風でもなく、くるりと身体の向きを変えてオレの胸におさまった。

ーーーうん。

嫌われちゃいない、って思う。
呼べば振り向いてくれるし、こうやってちゃんと腕の中にいてくれるから。

だけど。

しーんと横になってるだけの小宮山はやっぱりどこか不自然だった。

「小宮山、好きだよ?」
「ウン。わたしも」

ぽつりと静かに返ってきた熱のない言葉がオレの胸をえぐる。

ーーーなあ、小宮山。

なんでこんなコトになっちゃってんの?
どうしたら元の小宮山に戻ってくれんの?
オレは、何をどうすればーーー?

静まり返ったベッドの中で、小宮山の後ろアタマをなでながら今夜も見つかる気配ゼロの答えを探す。