「ふんわり女子??」
「そう。ふんわり女子」

私のライバルは他大の肉食女子じゃなくてB大のふんわり女子だった。

「その子、カワイイの?」
「スゴイ可愛かった・・」
「へええ〜。どんなふうに??」

ワクワクと目を輝かせてる先輩のために、彼女の容姿を思い浮かべて上から順番に外見の特徴をあげていく。

「髪が長くて、色白で・・」
「うんうん」
「目がおっきくてパッチリ二重で・・んで、唇はふっくらピンク色」
「うんうん!」
「ちっちゃくて華奢なのに胸がおっきい子」
先輩が派手に仰け反った。
「なにその2.5次元感・・!! その見た目でふんわり笑ってくれんの!? すっげ!」

まあね。わかる。

「で、その子が加瀬くんに惚れてるってワケ。へーえ。そりゃ大変だ」

加瀬くんと同じ科のリケジョ、本間さんは、加瀬くんと同じアパートの2階に住んでいる。
たまたまアパートの階段ですれ違った時に柔らかーい笑顔で「こんにちは」って挨拶されて、私は彼女の存在を知ったのだ。
交わしたのはその一言だけだったけれど、女の勘ってやつか、私はなんとなく彼女が気になった。
それでつい、階段を上がりながら、本間さんのほうを振り返ってしまってーーー

見ちゃったのだ。

「あれは恋する女子の顔でした・・」