ノースリーブの清楚なワンピースを着た、大人しそうな女の子。
可愛くて、儚げで、ちっちゃい割に胸が大きい・・・・などという男心をくすぐりまくる要素に富んだ彼女は、学科内でも相当にモテるタイプの女の子である。

「もう帰るの?」
「ウ、ウン」
本間さんがふんわりと笑う。
「じゃあ、一緒に帰らない?」
「あーー・・、ゴメン。オレ電話するから本間さんは先帰って?」

普通なら、ココで引いてもらえる。
だけど本間さんの場合はそうはいかない。

「いーよ、全然。待ってるから」
「・・・」
「電話していいよ? しないの?」

ホラね。やっぱりね。

モヤモヤと燻り始める胸の中の不快感を意識の外に追い出して、可愛らしく小首を傾ける彼女にオレは精いっぱいの微笑みを返した。

「あー、ウン。するよ。するんだケドさ・・長くなるかもしんないから待たなくていい」
って、チョイってスマホを掲げて見せてみせる。

が、まだまだこんなもんじゃビクともしない。
引き下がってくれそうな気配なんて微塵もない。

「それって何分? 10分くらい?」

あくまでも柔らかく、可愛らしく。
平然と所要時間を追及されて、これだけでオレはもうスゲー怖い。