「彼女、なんだった?」
「間違えたって」

スマホをしまってから、オレはまたのんびりと枝豆に手を伸ばした。
もりもりと豆を食うオレにこっちでできた友人、後藤が眉をしかめる。

「オマエさあ、毎回顔出してるけど、彼女に後ろめたくない?」
「なんでよ?」
「だってアレ見ろ」
後藤が向こうで他大の女子と盛り上がってる集団を指差す。
「なんかもうほとんど合コンじゃん、最近」
「そりゃまあ、あそこはね?」

だけど、それは一部のヤツらの話であって、オレらはフツーにメシ食って帰るだけ。

「彼女、こんなの知ったらイヤがんぞ、絶対」
「そーかな。そんなカンジはなかったけどなー。こないだどんなか聞かれたから話したけど」
って言ったら後藤が驚く。
「話したの!? 女子がイッパイ来ることも?」
「いっぱい来るって言ったら心配するからチョットって言ってある」
「それってどーなの? 立派な嘘じゃねーかよ」
「嘘っちゃ嘘かもだけど、オレには関係ないもんね。女子とメシ食わねえし」