ヒマだから小宮山の部屋をあちこち眺めて歩く。
なんか・・オレの部屋と全然違う。
女子っぽいものがイッパイ。

勉強机の上には、問題集やら塾のテキストやらがてんこ盛りになっていた。
すぐ脇にある本棚にも、床の上にも、結構なスペースをぶんどって参考書やら受験関係のファイルやらが並ぶ。

だけど。

本棚を端から端まで眺めてみて、オレは首をひねった。
どこにもないのだ。ハイデガーが。

しばらく待ってたら、バン!てドアがあいて、ホカホカした小宮山が現れた。
「おまたせ。加瀬くんもオフロ使う?」
「や、オレはいい」
さすがにこの状況でひとんちの風呂に入る勇気はナイ。
「そっか。んじゃ、急ごってゆーのもヘンだけど、そんなにゆっくりもしてらんないから・・」
って小宮山に腕をつかまれる。
「うわ、小宮山が積極的!」
「そーゆう言い方するのヤメテ」

ムッとしてオレを見る顔すら可愛くて。
「へへへ。じゃあ急ごっか」
遠慮なく組み敷いて、イッパイ触ってあちこちキスする。
大丈夫大丈夫。今日もちゃーんと溶けてくれる。
コレ見るとすげー安心する。小宮山の気持ちを直に確認できてる気がして。

がんばったぶん余計にシアワセ。
オレも小宮山もよくやってる。