数日後の放課後、オレらは小宮山の住むマンションへと向かった。

「オジャマシマース」

だーれもいない。

「加瀬くん、念のため靴、部屋にもってきて」
「ワカッタ」

わくわくと足を踏み入れた小宮山の部屋は、きれいに片づいててベッドもフカフカ。それになんだかいいニオイ。
「うわー、女子の部屋・・!!」
ウットリと感動にひたるオレを呼んで、小宮山が床にひろげた新聞紙を指差す。
「加瀬くん、靴、これにのっけといてくれる?」って。

「じゃあ、私オフロ入ってくるから、適当に座ってて!」
って言ったかと思うと、着替えをかかえた小宮山がびゅんと部屋から消えた。
「あ・・」
声をかけるヒマもなかった。
なんだ、あれ。テンパってんな。

こうしてオレはひとり、女の子の部屋に取り残された。