8月のある雨の日曜日、久しぶりに加瀬くんの家に遊びに行った。
ご両親に挨拶してから、加瀬くんについて2階に上がると、隣の部屋からコッソリ顔をのぞかせてこっちを見てる弟、圭太くんに遭遇。
「うわー、加瀬くんそっくり」
思わず漏れたつぶやきを拾って、加瀬くんが私のほうを振り向いた。
「すげー言われる、それ」
コソコソしてたわりに「コンニチハ!」って挨拶はものすごく元気で、ムチャクチャ可愛いらしい。
「あいつ、コドモっぽいんだよね」
私の知らない加瀬くんの中学時代を垣間見られた気がしてほっこり嬉しくなる。
「あ、そうだコレ」
部屋に入って早々、塾で受けた模試の結果を加瀬くんにみせた。
「数学45点か。まだまだだなー」
成績は相変わらず横ばいで、悲しいほど伸びてこない。
がっくりうなだれる私に加瀬くんが言う。
「なあ、数学60点こえたらどっか遊びに行こ? ゴホービに」
「ゴホービ?」
「ウン」
気が短いって思ってた加瀬くんは、意外にも根気強かった。バカみたいにつまづき続ける私に懲りずにつきあってくれる。
その上、こんなふうにご褒美の提案までしてくれたりして。
ご両親に挨拶してから、加瀬くんについて2階に上がると、隣の部屋からコッソリ顔をのぞかせてこっちを見てる弟、圭太くんに遭遇。
「うわー、加瀬くんそっくり」
思わず漏れたつぶやきを拾って、加瀬くんが私のほうを振り向いた。
「すげー言われる、それ」
コソコソしてたわりに「コンニチハ!」って挨拶はものすごく元気で、ムチャクチャ可愛いらしい。
「あいつ、コドモっぽいんだよね」
私の知らない加瀬くんの中学時代を垣間見られた気がしてほっこり嬉しくなる。
「あ、そうだコレ」
部屋に入って早々、塾で受けた模試の結果を加瀬くんにみせた。
「数学45点か。まだまだだなー」
成績は相変わらず横ばいで、悲しいほど伸びてこない。
がっくりうなだれる私に加瀬くんが言う。
「なあ、数学60点こえたらどっか遊びに行こ? ゴホービに」
「ゴホービ?」
「ウン」
気が短いって思ってた加瀬くんは、意外にも根気強かった。バカみたいにつまづき続ける私に懲りずにつきあってくれる。
その上、こんなふうにご褒美の提案までしてくれたりして。