小宮山の理数は夏休み前になってもたいして伸びてこなかった。理科はまあまあ。でも数学がとにかくダメ。伸びるどころか、まだ復習に手間取ってるような状態。

「オマエさあ、これ1年の範囲だぞ?」
「えーー!? こんなのやった??」
「やった」
バツばっかりの問題集につっぷして小宮山がデカイため息をつく。
「こんなんじゃやっぱ、C大はムリかもしれない・・」
ヘコみ気味の小宮山は、だいぶ弱気になっている。

このままC大の合格圏内に入れなかったらどーすんだろうって思って聞いてみた。
「オマエ、第二希望の国立大とかあんの?」って。

「ないことはないけど、どの道これじゃあ・・」
「あるのか!! それ、どこ?」
「えーっとね、D大かE大」

「ーーーーーハイ?」

オレは耳を疑った。