日付が変わる頃、オレらは大きなベッドに潜り込んで、ダラダラと話をしていた。いろんなことをたっくさん。

「加瀬くん、A大受かったらこの街に住むんだね?」
そーなる。もしもA大に通うなら。
「でもさ、オレ、できたらB大に行きたい」
実はA大よりもB大のほうが、より難関。
だけど、A大よかB大のほうがC大に近いのだ。

「そうなんだ。じゃ、B大がいいなあ」
なんて、さらりと言ってくれる小宮山にオレは小さくため息をもらした。
「おまえね・・簡単にゆーけどB大よ? 偏差値知ってる?」
「加瀬くんならヨユーでしょ。かしこいんだから」
「ま、まあね・・うん、ヨユー・・」
とか言っちゃいながら、実際のところヨユーなんて全くなかった。
B大を狙うならオレだって相当がんばらないと難しい。

だけど。それよりなによりーーー

「オレは小宮山が受かるかどうかが一番心配」

小宮山をぎゅうっと抱きしめる。
オマエ、成績どーなんだよ。
理数が壊滅的って具体的にはどのくらい??

帰ったらコイツの模試の成績、絶対に確認しよう。